医療データを扱うスペシャリスト

「診療情報管理士」という仕事はあまり周知されておらず、一般の人からすると馴染みがないかもしれません。
実際には、大学病院や総合病院には数多くの診療情報管理士が従事し、わたしたちの見えない所で医療に貢献しています。
そんな診療情報管理士たちは、医療機関における情報をデータベースに入力し、作成したデータをもとに統計を出したり、資料を作ったりしています。

診療情報管理士が管理する情報にはさまざまなものが含まれますが、最も多いのが患者のカルテ情報でしょう。
カルテには、患者の状態をはじめ、実際に行った医療処置や検査の内容が記載されています。
診療情報管理士は、そんなカルテの管理やデータベース化を担うことになります。
そのためには担当医師とのコミュニケーションが求められることも多く、時には管理すべき情報の提出をお願いすることもあります。

また、診療情報管理士はカルテの管理だけでなく、患者が退院する時や月一で作成するサマリーと呼ばれる記録の作成も行います。
さらに病院に在籍するそれぞれの医師の状況を調査したり、サマリー作成率の計算およびそれに基づく資料の作成も対応しなければなりません。
作成した資料は、点検報告書として院長にも提出します。

そのほか、がん登録という業務もあります。
がん登録では、罹患した患者の氏名や生年月日などの個人情報と受診した医療機関名、そしてがんと診断された日やがんの種類や進行度などを入力することになります。
情報のIT化が進む医療業界において、データを一括して管理できる診療情報管理士の存在は欠かせないものといえるでしょう。
診療情報管理士という形で医療データを扱うスペシャリストになりたい方は、ぜひ基本的な仕事内容と資格取得方法を確かめてみてください。